<経済が伸びる国は通貨も高くなりやすい>
さて、前回の為替レートを知るで「その通貨に換えたい人が多くなればなるほど、その通貨の価値は高くなる」と説明しました。
「円をドルに換えたい人」が多い場合 (「ドルを円に換えたい人」より)
→円の価値が低くなる
=円安(ドル高)になる
ですが、そもそも「通貨を換えたくなる」時というのはいったいどういう時なのでしょうか。おそらくみなさんがパッと思いつくのは「海外旅行に出かける時」や「貿易をする時」ではないでしょうか。ですが、実はそういったやりとりのために通貨を換えている人たちは全体の10%程しかいないのです。
では残りの90%の人たちはいったい何のために通貨を換えているのでしょうか。それでは、これからその残り90%の部分をわかりやすく説明していきたいと思います。
通貨を換えたくなるときの残り90%は大きく分けて2つあります。ひとつは「経済が良くなるとき、悪くなるとき」。もうひとつは「金利が上がるとき、下がるとき」です。
では、それぞれの理由をくわしく見ていきましょう。まずは「経済が良くなるとき、悪くなるとき」からです。
■「経済」が良くなるとき
これからその国の経済(会社や不動産など)が良くなるなら、その国の通貨に換えたい人が多くなると思われます。なぜなら、世界中の投資家が値上がり益を期待してその国の株や不動産を買おうとすると考えられるからです。
たとえば、もしこれから日本の経済が良くなるとしたら、投資家はまず持っている通貨を円に換えするのではないでしょうか(円買い)。そして換えた円で日本の株や不動産を買おうとするのではないでしょうか。
例)1ドル=100円のときに日本の経済が良くなると予想される場合
→「ドルを円に換えたい人」が多くなる
→円高(ドル安) (例、1ドル=90円↓)
■「経済」が悪くなるとき
今回は良くなるときの反対です。もしこれから日本の経済が悪くなるなら、世界中の投資家は値下がり損を避けるために日本の株や不動産を持つことを控えようとするのではないでしょうか。そして、円をこれから値上がり益が期待できそうな会社や不動産を持っている他の国の通貨に換えようとするのではないでしょうか(円売り)。
例)1ドル=100円のときに日本の経済が悪くなると予想される場合
→「円をドルに換えたい人」が多くなる
→円安(ドル高) (例、1ドル=110円↑)
Originally posted 2019-08-12 15:16:16.